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一つ前へ

おっきなおっぱいももみたい

 

 

 きょおはおねいさんといっしょのおふとん。
 えほんをよんでくれるんだって。

「むかーしむかし、あるところに……」

 いつもとちがうおねいさん。
 おばあさんのこえになっちゃった。

「……なんとも、ものなかから……」
「もものなかから、だよう」

 ちょっとおかしなおねいさん。
 でもいっしょうけんめいよんでくれるの。

「ももたろうは、サルトリーヌをしたがえて……」
「さる、とり、いぬだよう」

 だいぶおかしなおねいさん。
 ほんのちょっぴりわらえてきちゃった。

「おにがしまたにどりついたももたろうは……」
「おにがしまにたどりついた、だよう」

 すごくおかしなおねいさん。
 とってもとってもわらえてきちゃった。

「ゆたかにくらしましたとさ、おしまいおしまい――」
「パチパチパチ」

 つっかえながらもおねいさん。
 さいごまでぜんぶきかせてくれたの。

「さ、そろそろねよっか」
「うん」

 ふとんにくるまるわたしたち。
 おっきなおっぱいすぐそこにあるの。

(なんだか、とってもおちつくな――)

 おっきなおっぱいももみたい。
 ももたろさんがなかにいたらいいな――。

 

 

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