「――おねいさんおねいさん」
「すうすう」
へんじがない。 おねいさんはねむっているみたいだ。
「おねいさんおねいさん、あさごはーん」
「すうすう」
へんじがない。 おねいさんはねむっているみたいだ。
「おねいさんおなかへったー」
「すうすう」
へんじがない。
「うー……」
「すうすう……んー……むにゃむにゃ……」
おねいさんはごろっとねぞうをかえて、わたしのほおをむいてくれた。
だけどやっぱり、それでもずうっとねむったままで、ぜんぜんおきてくれないの。
「……」
「すうすう」
おねいさんのおっきなおっぱいすぐそこにある。
おねいさんがいきするごとにたゆんたゆんして、なんだかいきているみたい。
そういえばきのうはももたろさんがなかにいればいいなっておもってたけど――。
さわってみたらももたろさん、びっくりしてでてきてくれるかな?
「えい!」
むにゅ。
「ふひゃあぁあぁぁ!」
「わぁっ!」
びっくり。
おねいさんのおっぱいさわってみたら、ももたろさんじゃなくて、おねいさんのさけびごえがでてきた。
「え? ん? は? ……ああ、ん?」
おねいさんはねぼけまなこであたりをきょろきょろして、なにがおこったのか、よくわからなかったみたいだ。
わたしもなんだかよくわからない、でも、けっかてきにおねいさんがおきてくれた。
「おはようおねいさん」
「ああ……ん、うん、おはよう」
「あさごはんほしいー」
「あ、はいはい。 今準備するからちょっと待っててね」
そういうとおねいさんはなにもなかったみたいに、だいどころへとむかっていった。
わたしもおねいさんのあとをおってちょこちょこついていく。
「――お待たせ、熱いからフーフーしてから食べてね」
「わぁい、たまごやきだいすき!」
「……」
「ふーふー……」
あーんってくちをあけようとしたとき、おねいさんがじーっとわたしのほうをみつめているのにきがついた。
「どおしたのおねいさん?」
「あ、いやさ……ちょっと感慨耽っちゃって」
「かんがいにふける?」
「ああ、んー……昔の事を思い出して懐かしく思うっていうのかな」
「ももたろさんとかいた、むかし?」
「ううん、もっと最近の昔。 あの時あの電話をきっかけにして、今の自分がこんな風な生活をするようになるなんて、思いもしなかったからさ……」
「?」
「ああ、ごめんね、それよりたまごやきおいしい?」
「まだたべてないよう」
「あ、そうだねごめん」
きょおのおねいさんはなんだかちょっぴりへんだ。
わたしがおっぱいさわったから、ちょっぴりへんになっちゃったのかな?
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