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一つ前へ

しろいたんぽん

 

 きょおはぽかぽかおさんぽびより、おねいさんといっしょにこうえんにきたの。
 おててつないでぶらぶらぷらぷら、そしたらじべたにしろいものが。

「おねいさんおねいさん、たんぽんあるよ!」
「たんぽぽ、ね」

 きいろじゃなくてしろいたんぽん、ふしぎなふしぎなもよおがえ。 
 きいろからしろ、たいらからまる、なんでこんなになっちゃうんだろ。

「おねいさんおねいさん、なんでたんぽんはきいろからしろになるの? たいらからまるになるの?」
「んー、おとなになったから……って言えばいいのかな。 あと、たんぽんじゃなくてたんぽぽね」

 おはなもちゃんとおとなになるんだ、ほんのちょっぴりかしこくなった。

「それじゃそれじゃ、おっぱいもおっきくなったのかな? たんぽんのおっぱいどこかな?」
「あはは、流石におっぱいは動物にしかないよ。 それと、たんぽぽね、いい加減恥ずかしいから覚えてね」

 たんぽんじゃなくてしろいたんぽぽ、おっぱいないのはちょっとざんねん。
 じっとみているわたしのわきから、すっとおねいさんのうでがのびてきた。

「あ、ちぎっちゃかわいそうだよう」
「まあ見てて。 これは綿毛って言ってね、たんぽぽの種なの。 こうやって、息を吹きかけると……」

 ふっといきをふきかけるおねいさん、そしたらわたげがとんでっちゃった!

「すごおい! たんぽぽのたね、とんでっちゃった!」
「こうやって、たんぽぽは子供を残して行くんだよ。 やってみる?」

 ひょいっとたんぽぽもらったわたし、おねいさんのまねしていきふきかける。
 そしたらやっぱりとんでっちゃった! いろんなところにとんでっちゃった!

「たのしい!」
「たのしいでしょ、まだ残ってるから一杯息を吹きかけて」

 むちゅうでいきをふきかけるわたし、そしたらひとつだけふらふらと、おねいさんのおまたにくっついちゃった!

「あ、たんぽんのたね、おねいさんのおまたにくっついちゃった!」
「え!?」
「しろいたんぽんのたねがおねいさんのおまたにくっついちゃった〜!!!!!」

 そしたらおねいさんかおまっかにして、わたしのおくちをりょうてでふさぐの。
 きょろきょろまわりをきにしては、わたしをだっこしてこうえんからでていっちゃった。

 もおすこし、こうえんであそびたかったのにな。  

 

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